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モルタルの世界産業レポート2026:市場シェア、競争状況、成長率5.8%分析

モルタル世界総市場規模
 
建築・土木を支えるモルタルの基本機能と高性能材料としての進化
 
モルタルは、セメントや石灰などの膠結材に砂などの骨材と水を混合して形成される、可塑性を持つ代表的な建築材料である。モルタルの基本的な役割は、レンガ、石材、ブロックなどの構造部材を接着する結合材として機能すると同時に、建築物の壁面・床面などに平滑性、耐久性、防護性能を付与する仕上げ材料として利用される点にある。
 
モルタルの大きな特徴は、原料配合を調整することで強度、硬化速度、流動性、耐久性などの性能を柔軟に制御できることである。例えば、速硬性セメントを採用することで短時間施工に対応でき、ポリマーや無機系混和材を添加することで柔軟性、防水性、耐ひび割れ性を向上させることが可能となる。
 
近年、モルタルは単なる施工補助材料ではなく、低炭素建築、高耐久インフラ、環境配慮型施工を実現する高機能建材として位置付けが変化している。建築物の長寿命化や老朽インフラ対策が世界的課題となる中、モルタル市場では性能向上と環境負荷低減を両立する技術開発が進んでいる。
 
 

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図. モルタルの製品画像


QYResearch調査チームの最新レポート「モルタル―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」によると、モルタルの世界市場は、2025年に56220百万米ドルと推定され、2026年には59150百万米ドルに達すると予測されています。その後、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)5.8%で推移し、2032年には82860百万米ドルに拡大すると見込まれています。
 

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上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「モルタル―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」から引用されています。



 
モルタル市場動向|低炭素建築・インフラ補修・高機能化が牽引する次世代建材市場の成長展望
 
■市場動向:インフラ老朽化と環境対応需要がモルタル市場を拡大
 
モルタル市場の成長を支える主要因は、建築需要だけではなく、既存インフラの維持・補修需要の増加である。道路、橋梁、トンネル、上下水道施設などでは、建設から数十年が経過した構造物の劣化が進み、高付着性・高耐久性を持つ補修用モルタルへの需要が拡大している。
 
特に日本や欧州など成熟した建設市場では、新規建設よりも既存構造物の長寿命化が重要視されており、ひび割れ補修、防水補強、耐震改修向けの特殊モルタル採用が増加している。
 
また、カーボンニュートラルへの対応もモルタル市場の大きな変化要因である。セメント製造時のCO₂排出削減を目的として、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグなど産業副産物を活用した低炭素モルタルの開発が進んでいる。環境性能と施工性能を両立したモルタル製品は、今後の建築・土木分野で重要な選択肢になると考えられる。
 
■成長要因:高機能化技術がモルタルの適用領域を拡大
 
モルタル市場の成長を促進する重要な要素は、機能性混和剤による高性能化である。従来のモルタルは接着や表面保護を主目的としていたが、現在では防水性、防錆性、耐薬品性、自己修復性などを備えた高機能モルタルが開発されている。
 
例えば、ポリマー改質モルタルは高い密着性と柔軟性を持ち、橋梁補修や外壁改修など、振動や温度変化が発生する環境で利用が拡大している。また、ナノ材料を添加した超耐久モルタルでは、微細構造制御によってひび割れ抑制や耐摩耗性能の向上が図られている。
 
さらに、省エネルギー建築の普及に伴い、断熱性を高めたモルタルや植物育成が可能な緑化対応モルタルなど、建築と環境技術を融合した新用途も登場している。モルタルは今後、施工材料から建築性能を高める機能材料へと進化していく可能性が高い。
 
■阻害要因:原材料価格・施工品質管理・環境規制が課題
 
一方、モルタル市場には複数の課題も存在している。最大の課題の一つは、セメントや骨材など主要原材料価格の変動である。エネルギー価格上昇や物流コスト増加は、モルタル製品の製造コストに直接影響を与えている。
 
また、モルタルは現場施工条件によって性能が左右されやすい材料でもある。水量調整、混練時間、施工環境などの違いによって、強度や耐久性に差が発生する可能性があるため、品質管理技術の高度化が求められている。
 
さらに、環境規制強化により、従来型セメント依存から低炭素材料への転換が不可避となっている。メーカーには、CO₂排出削減と従来性能維持を両立する材料設計技術が求められており、研究開発投資が競争力を左右する要素となっている。
 
■市場構造変化:プレミックス化とデジタル施工管理が進展
 
近年のモルタル市場では、現場で砂・セメント・水を調合する従来方式から、工場で品質管理されたプレミックスモルタルへの移行が進んでいる。プレミックスモルタルは、配合精度が高く、施工現場での品質ばらつきを低減できるため、大規模建築や補修工事で採用が拡大している。
 
この変化により、建材メーカーは単なる材料供給企業から、施工技術支援や用途別ソリューションを提供する企業へと役割を広げている。
 
また、デジタル技術との融合も進んでいる。センサーによる混練状態監視、AIによる配合条件最適化、BIM(建築情報モデル)と連携した施工シミュレーションなどにより、モルタル施工の品質安定化と効率向上が期待されている。
 
■未来展望:低炭素・高耐久モルタルが持続可能な社会基盤を形成
 
今後のモルタル市場は、カーボンニュートラルとインフラ長寿命化を軸に成長すると予測される。低炭素セメント、CO₂固定技術、再生資源活用技術を組み合わせた環境配慮型モルタルの普及が進むことで、建設産業全体の環境負荷低減に貢献する。
 
また、自己診断機能を備えたスマートモルタルや、センサー技術を組み込んだ知能化材料の研究も進展している。将来的には、モルタル自体が構造物の状態を監視し、補修タイミングを予測する次世代建材へ発展する可能性がある。
 
持続可能性の観点では、建設廃材や産業副産物を活用した循環型モルタル製造システムの確立が重要となる。モルタルは今後、単なる建築材料ではなく、環境性能、耐久性、デジタル技術を融合した「持続可能な建築・土木インフラを支える基盤材料」として、その市場価値をさらに高めていくだろう。
 
 
本記事は、QY Researchが発行したレポート「モルタル―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」 を紹介しています。
 
◇レポートの詳細内容・無料サンプルお申込みはこちら
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